2018年 11月 27日
楠森堂のその後 |
毎年恒例の福岡うきはの楠森堂、「秋の蔵開き」に催す緑桜会(能の会)に今年も2泊3日で行ってきた。今年で6回目となる。
以前このブログでも楠森堂の事を詳しく紹介していますのでご覧下さい。楠森堂の紹介
まず熊本空港に朝到着し総勢9名ジャンボタクシーに乗って、阿蘇の湧き水のある白川郷を見学し、高森の山村酒造を訪れた。その後阿蘇五岳を南から眺める。高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、忤島岳と個性的な形の山が並ぶ。全体で仏様が寝ている姿-涅槃像とも言われ地元の人達から愛されている。パワースポットである雄大な阿蘇連山を前に大きく深呼吸して力を沢山いただいた。 1日目の宿「阿蘇観光カンポの宿」の部屋から早朝日の出前に撮影した。根子岳の上にかかった雲にこれから上る太陽が下から照らし、雲が真っ赤に色づいた。
世界有数のカルデラ、この時期の風物詩となっている真っ白の雲海を阿蘇山から眺める。
今人気のスポットとなった少し北へ走ったところにある鍋カ滝を見学。大きく迫り出した柱状節理の岩の下を滝の裏側から見る事ができる。
3日目楠森堂での能の会(緑桜会)が開かれた。6回目とあって毎年この会を楽しみにして来て下さる地元の方々で大盛会となった。この400年以上の歴史のある楠森堂は、私達の能の先生ー山村庸子能楽師のご実家で、美術評論家であり京都美術館の館長でもあられた故河北倫明氏の生家でもある。元々能への感心の強かった河北家の御先祖がこのような能舞台のような座敷を美しい庭と共に作られたという。豪農とはいえ大変珍しく教養の高さを伺う事ができる。
お庭は樹齢何百年という大木に囲まれた苔の美しい庭である。その為苔を傷つけない様に席を設置するのが難しい。観客の皆様はその事を良くご存知で、苔を避けて歩いて下さる。
今の27代目御当主河北宣正さん(緑のジャンパー)とお客様。宣正氏は今でもこの楠森堂の年間行事を行い、冷暖房設備一切ない母屋に住み農業を行いながらこの建物を守っていらっしゃる。その事が当然と考えていらっしゃる彼には守るという意識さえもないかもしれない。そんな楠森堂と河北家をずーっと見守り続け応援してきている人々が九州各地から集まる。私もその一人だ。
一番右が次代当主となる河北幸高氏。その隣が長女、その隣が宣正氏の妹に当たり私の能の先生である能楽師ー山村庸子氏、その隣が当主の河北宣正氏、一番左が幸高さんの奥様の知美さん。次代当主になる幸高氏は日本では希少となってしまった、日本本来のお茶=実生在来茶を復活させお一人で育て収穫している。楠森堂の在来茶をご覧下さい。 200年以上も成長し続けているお茶はミネラルが豊富で栄養素が濃縮したお茶。最近では海外からの問合せも多いという。今後の益々のご活躍を期待し、応援し続けたいと思っている。
渋谷区の建築設計事務所−松井建築研究所
by matsui-ken
| 2018-11-27 09:46
| 楠森堂
|
Comments(0)