2016年 01月 22日
森美術館のノーマン フォスター展 |
先日、今森美術館で開催中のノーマン・フォスター展を森美術館館長の南條史生氏の案内で見学させていただいた。南條史生氏といえば、都市、建築、美術を結びつけ、数多くの世界中で開催されているビエンナーレのコミッショナー、ディレクターを歴任している最先端を行く人物である。運良く彼とは慶応時代の同期で今回11人の同期の仲間と共に、南條先生の熱の入った説明でこのフォスター展を見学させていただける事となった。建築に携っている人ならノーマン・フォスターの事はご存知だと思うが、日本では彼の作品はごく個人的な物しかない。私は下記に紹介するフランスのニームで見たCarre' d'Art が印象に残っているが、他に実際に見たのはベルリンのドイツ連邦議会くらいであった。
4月下旬であったのに寒く雨にも降られ、写真がピンぼけなのが残念。ニームはフランスの中で一番古くローマ時代の都市として有名で、数多くの建造物が残っている。この円形競技場もメイン建造物の一つで今でもコンサートやお祭り等が開催されている。
紀元前16年古代ローマ時代に建設されたギリシャ様式の影響を強く受けているメゾン・カレ(方形の家)
森美術館で開催中の展覧会の素晴らしさは、フォスター建築にしていく過程を色々な角度から、沢山の模型、図面、映像から徹底して展示しているところにある。三角形が無数に集まって球ができる、から始まってその球体が開いて自由な形の膜となり、2次元が3次元に3次元が4次元に展開していく。
現実に実現した建物から未来の宇宙的ビジョンまで、建築に携わっていない人でもフォスターの世界に自然に入り込んでいく。
2月14日まで開催されているので、皆様も是非訪れてはいかがでしょうか?
3年前スペインのバルセロナからフランスのプロバンスを旅行した時に出会ったフォスターの作品を紹介します。
その向こうに見えているのが、22年前にコンペでフォスターが勝利し、完成した近代的建築Carre' d'Art(美術館)である。
コリント式の円柱が建ち、プロポーションの美しい神殿で、最初はシーザーの墓があり、後にキリスト教会、会議場、そして美術館となった。
周辺がきれいに整備され、絶妙の間を取ってフォスターの近代美術館 Carre' d'Art が建つ。神殿を意識してのプロポーションと構成で、決して目立ちすぎず上手く調和していた。実際は9階建てであるが、地上4階にし、地下5層取っている。ファサードは鉄骨とガラスという石に対して軽く見せているが、本体はRC造である。
ここでの主役は2000年以上もの間この地に建ち続けている神殿メゾン・カレで、フォスターのCarre' d'Artは脇役かもしれないが、メゾン・カレにとっては君(Carre' d'Art)がいてくれてうれしい、と言っているようだ。
絶妙な間隔が、2000歳もの年の差がある二つの建物を対話させていておもしろい。
今回フォスター展を見学できて、もっとちゃんと写真を撮っておけば良かったと反省した、けどすごく寒かった。
私の好きなプロバンスである。また訪れていいツーショットの写真を撮って来よう。
by matsui-ken
| 2016-01-22 09:42
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